タマル

柳生一族の陰謀のタマルのレビュー・感想・評価

柳生一族の陰謀(1978年製作の映画)
4.7
平成の後も遺したい!
“史上最強の公家” 烏丸少将文麿様の名御台詞。

「出ておじゃれ!!
……臆したか柳生新陰流。姿は隠しても獣は臭いで分かりまするぞ」



以下、レビュー。

これは夢だ…… 夢を見ているのだ……
これは夢でごさぁる! ただの夢だ、夢だ夢だ夢だ!! 夢でござあぁぁるっ!!
が流行語になったという。
なんという時代だ。78年はいい時代でござる。

まぁ「時代劇」初心者に何を最初に勧めるべきかと考えたら、私は本作を選びますね。そもそも本作は「時代劇復興第一回作」というスローガンで大宣伝された本格時代劇巨編であり、収益の面からも、時代劇リテラシーの低い観客を取り込むことを意識した上で作られた作品で、初心者にはうってつけなのです。時代劇初挑戦である千葉ちゃんと深作欣二という現代劇の盟主たちが新しい風を吹き込んでいる。そこにバリバリ時代劇で活躍していた様な大御所たちと、12年前に製作を打ち切られて以来、久々の映画時代劇ということで気合い入りまくった京都太秦撮影所のスタッフたちが混ざってくる。時代劇と現代劇のアウフヘーベン。何かジャンルに収まらない全く別のものが生まれちゃってる気もしますが、こういうカオスもまた「時代劇」なんですなー。
このカオスを130分にまとめた深作欣二は本当にすごい! セルジオ・レオーネが撮ったら420分かかる内容量ですよこれ(笑)

確かに完璧なのかといったら、もちろんそうではないのですよ。アフレコがうまくいってない(特に千葉ちゃんが)とか、ひたい切られてその血の量なの?とか、アクションシーンをもっとちゃんと観たかったとか、切断部位が流石に人形くさいよとかあらはありますがな。
でも、面白いからいいんですそんなことは。いいんです!
「時代劇」初心者はマストで観るべき傑作です!!!
タマル

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