ぱきら

炎の城のぱきらのレビュー・感想・評価

炎の城(1960年製作の映画)
2.5
『ハムレット』の翻案とのことですが、テレビで偶然気軽に視聴しただけなので予備知識どころかこの作品の存在も存じ上げなかったのであまり構え過ぎず、加藤泰監督はヴィジュアリストなんだなーと思ったりで、それなりに楽しめたというか。大きい変更箇所もあるものの、内容がハムレットなので楽しむという感想が適当かは分かりませんが。皆さんが挙げている、能を舞う場面や、燃えるたいまつの炎が行きかうところや、廊下の奥から向こうの人物を暗い画面で写した画や、これが撮りたかったのだろうなと感じさせられる部分がいくつも感じられました。
大川橋蔵は晩年しか知らないので意外な姿を見られたような気分です。ややむちむちっとした印象のお姿が役柄にふさわしかったかは疑問の余地もあるかもしれませんが。三田佳子もとても若くて切れ長の瞳のすっきりした美貌が見られます。高峰三枝子はここではそんなに魅力を発揮できていない印象です。大河内傳次郎という伝説の俳優さんはこの方かーなどと思いながら、拝見しました。
必見の邦画というと違うかもしれませんが、こういうシェイクスピア作品の翻案邦画もあったことを不勉強ながら存じ上げなかったので観られてよかったという気持ちにはさせてもらいました。
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