見たで。
1970年代のアメリカ。現在よりも人種関の対立が緊張を増していた時代に黒人と白人の混合チームタイタンズが成し遂げた偉業を描いた実話。
黒人に対する差別意識が社会全体で根深く町ぐるみでの対立やいがみ合いも激しかった時代の中でそういった壁を取り払い真っ正面からぶつかり合い分かりあいながら成長し気高き魂を掴んだ者達。正直アメフトのルールなんて知りませんしそういった面ではスポ根映画としての面白さは殆んど感じれませんでしたがそんな部分を差し引いてもタイタンズのメンバー達が差別の壁や様々な苦難を乗り越えチームの枠を越えた家族になって行く様はスポーツ物の王道的展開であるからこそ観客の胸を熱くする熱量がある。
私も精神疾患で手帳を持ってるマイノリティの1人であるがそれが自分を精神的に追い込むぞと自分では理解していながらも心の内で自分以外の人達に対してついつい壁を作ってしまう事がある。私はある程度自分で納得した上でそういう生き方を選んだけど黒人達は自分で選ぶ余地もなくそういった環境に放り込まれるわけでそこから更に自分達を差別する側の人間達とチームを組むことになる葛藤とそれを越える過程は映画程あっさりした物ではなかっただろう。だからこそ個人的にはゲリーとジュリアスの友情には心のそこから熱く込み上げる物があった。真の友情とは双方に分かりあい仲間になろうと言う強い意思とその決意を行動で示す事ができる人間がいて初めて実現する物なんだと思った。
こういう奇跡がありながらもアメリカは元より世界中で人種や国籍による差別が残っているのも残酷な現実だが多様性と共存が叫ばれる現在だからこそ彼らの姿に想いを馳せていきたい。
私達はタイタンズを忘れないと言う誓いと共に。