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燃える戦場のcatmanのレビュー・感想・評価

燃える戦場(1970年製作の映画)
5.0
主な見どころ
★日米英の軍旗がはためきながら徐々にぼろきれへと姿を変えるオープニング映像。
★主演のマイケル・ケイン。性格はルーズながら体制への反抗心が旺盛&個人の尊厳を大切にする骨のあるアルドリッチ的キャラクター。他にも無能な指揮官役のデンホルム・エリオットや唯ひとり米軍から作戦に参加するクリフ・ロバートソンなどキャストが総じて良い。
★モチベが低く仲間割ればかりしている連合軍の作戦部隊。利己的なヤツばかりで良い。
★ フラットな目線による日本軍の描写。敵役の方が寧ろマトモなんじゃないかって思える。印象的なのが夜回りの日本兵二人による何気ない会話。(日本人俳優による日本語の自然なセリフ)
“内地のかあちゃん何してっかなあ”
“早く帰って熱い酒でもピューっと飲みてぇなあ”
“まったくだぁ”
“ウチのかあちゃん手紙はくんねぇけどな、おみおつけの味はみんなに飲ましてやってもいいと思ってる”
物語の本筋には関係ないにも関わらず、日本人をかなり丁寧に描写していて驚く。
★MVPは高倉健。"introducing Ken Takakura" のクレジットに痺れる。英語も上手。

ベトナム戦争終盤の1970年公開。ロバート・アルドリッチによる一筋縄ではいかない戦争映画。『特攻大作戦』の様な派手なアクションは殆ど見られず、主にジャングルを舞台にした心理戦がメイン。突っ込みどころ多いし長尺の割りに地味な展開が続くので好き嫌いが分かれそう。私は好きです!
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