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ふたりのベロニカのnagashingのレビュー・感想・評価

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)
3.5
『リズと青い鳥』の窓越しに光を照射させるやりとりのパクリ元なんじゃないか、というのがこの映画に向ける最大の関心。それはそれとして、あきらかに東西分断の時代の記憶が底流していて、音楽での成功に足をかけた東の女は頓死し、音楽を諦めた西の女は生き延びる。向こう側の世界へのまなざしが、ありえたかもしれない生あるいは死として、Green Fogな照明、屈折と反射で歪んだ像への耽美の中に展開するわけだが、女が男のマリオネットに自分を見いだすキモい話を隠蔽しているだけのような気もした。
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