バートロー

ユニバーサル・ソルジャーのバートローのレビュー・感想・評価

ユニバーサル・ソルジャー(1992年製作の映画)
4.0
ジャン=クロード・ヴァン・ダム vs ドルフ・ラングレン。ベトナム戦争で相打ちになった2人の兵隊が記憶を消されキャプテンアメリカ並みのスーパーソルジャーとなって現代で再び相対する…アクション俳優であり、格闘家でもある似た者同士のスターがまだまだキレッキレにキレにキレてキレまくりにキレていたころを収めた映画として、また大監督ローランド・エメリッヒのハリウッドデビュー作として、どうしても作品としての評価などというちっぽけなものよりも映画ファンとしての愛おしさが先行してしまうので困ってしまう。

ヴァンダミングアクションの炸裂こそ最後の最後まで出し惜しみされているのだけども、随所に正気を疑うような場面のオンパレードが続き、いまでもヴァンダムをネタにするときに使われるような設定はすべてこの映画につまっている。そもそもベトナム戦争、近未来SF、バイオテクノロジー、筋肉、ロマンスと盛り込みすぎなのだ。

さらに吹替え版だとヴァン・ダムは大塚芳忠、ドルフ・ラングレンは大塚明夫が担当しているという3大大塚声優の内、2人が主役と悪役担当しているというダブル大塚体制なのだ。そしてこのダブル大塚がノリノリでともかく最高。近い雰囲気をもったコマンドーばかりがもてはやされているが、この「ユニバーサルソルジャー」も同様に扱われて良い映画だ。

ヴァンダムが製作に携わり酷評に次ぐ酷評でなかったことにされた2作目、20年後に正当な続編として作られ、おいおいお前がまた出てくるのかよ予想はしてたけどという奴が出てくる3作目、スコット・アドキンスを加え、おいおいお前が味方になっていいのかよという奴が味方になり作風もハードになった4作目。何もかもが愛おしい。