SatoshiFujiwara

怪猫トルコ風呂のSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

怪猫トルコ風呂(1975年製作の映画)
3.3
現代ではタイトルからしてアウトだが、赤線が舞台だからと言って溝口の『赤線地帯』やら前田陽一の『にっぽん・ぱらだいす』のような悲喜こもごもの人間ドラマを想像するととんでもない、ぶっちゃけ無茶苦茶である(タイトルがこれだもんな)。「吉原のトルコ嬢雪乃が愛人に裏切られた上、愛人とその情婦(トルコ風呂の経営者の妻)に殺されて土蔵の壁に埋められる。雪乃の妹真弓はトルコ嬢になり姉の死の真相を探ろうとするが、逆に愛人達に殺されそうになる。その時、雪乃が化け猫として復活した」(めんどくせえからAllcinemaより頂きました)というお話。いやはやひどいものだ(苦笑)。

本作で見るべきは1に室田日出男のそこまでやるかのあっぱれな腐れ外道ぶり、2にこの人が出て来るだけで何だか妙な期待をしてしまう「三文役者」殿山泰司のヌメヌメしたタコ坊主ぶり、そして3にトルコ風呂でトルコ嬢にサービスを受ける山城新伍の軽佻浮薄さだろう。雪乃(谷ナオミ)は意外に面白くないが、むしろそれよりは雪乃の妹真弓のエロさがよい。晴れて復讐を果たした雪乃が最後に空を舞うシーンのチープさには力ない笑いが思わず漏れてくるのを誰も止められはしないが、注意して欲しいのだが決してつまらなくはない。むしろ逆だ。但し真面目に観るのだけは止めて欲しい。
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