ルコントいやフランス映画に残る名作の1本。
『髪結いの亭主』と共に大好きな作品。
偏屈な仕立て屋のイールは周囲と馴染めず孤独な毎日をおくる。
そんな彼の唯一の喜びは、美女アリスの部屋を覗くこと。
出来心で覗いた彼は、彼女の秘密を目撃してしまう。
そこから、彼はアリスへの愛と共に転げ落ちてゆく・・
アリスは女を総動員し、彼を愛の喜びで満たし翻弄する。
イールの無償の愛に魂を揺さぶられるとともに、
アリスのしたたかさに震撼となる珠玉の逸品だった。
街のざわめきだけが微かに聴こえるエンドロールが
更に切なさに拍車をかける。
ラストは観客の心臓を直にわし掴むような疼きで支配される。
マイケル・ナイマンの音楽に抵抗できる感じがしない。
毎度骨抜きにされる。
『髪結の亭主』とか『ピアノ・レッスン』とか、倒錯した世界観や人間に本当に合う。
こうゆう作品ばかり観てると
普通の恋愛映画とか見られなくなるなぁ。
罪深い作品。