McQ

エレニの旅のMcQのレビュー・感想・評価

エレニの旅(2004年製作の映画)
4.0
モノクロに後から色付けしたような優しい色合い。霧で曖昧になった水平線や、どこを切り取っても絵になりそうな構図に圧倒される!更には〝村〟丸ごと◯◯させてしまうのだから驚きだ。これらの現実離れした光景を前に〝黄泉の国〟ってこんな感じだろうか?などと想像してしまった。(風景眺めてるだけでも見応えあり!)

本作の主人公であるエレニについては前半ほぼ表情が見えず、台詞も殆ど出てこない為、どんな人物であるかが中々掴めない。(とりあえずいつも泣いてる)というのもカメラが人物に近寄る事無く、遠方から捉え続けているからである。どちらかというと彼らのいる〝地〟そのものが主役に見えた。それが前半。これがまたニクい演出であるが、そこから物語が進行するにつれ、カメラはじわじわと人物に歩み寄りその表情を捉え始めるのである!

十分やりきった感はあるが、これはまだ〝序章〟に過ぎない。どうやら長くなり過ぎて三部作に区切られてしまったとの事、、

個人的ベストショットは〝シーツ〟のシーン。「永遠と一日」で好きだった〝あの感じ〟がここでも味わえた!
McQ

McQ