ちぇるごまる

息子のちぇるごまるのレビュー・感想・評価

息子(1991年製作の映画)
4.1
予備知識なしでの鑑賞。
山田洋次監督作品。

妻を亡くし岩手県内で1人暮らしを続ける持病のある父親。
彼を心配する独立した子どもたち。
それぞれ家庭や事情がある中、末息子テツオだけは東京で気ままにフリーターをして生活をしている。
仕事を転々とし、やがて下町の工場で働き始めた彼は1人の聴覚障害者の女性に恋をし、次第に仕事をすることに希望をもつと同時に生きる喜びを見出していく。
テツオを気にかけながらも、ついついきつい発言をしてしまう父と、父親を想いながらも不器用なため上手く表現が出来ないテツオだったが、彼女と手話で会話し結婚を前提に交際している様子を見た父親は安心し、またテツオも父親を深く愛していたことに気づき、彼女とともに父が暮らす岩手に移り住む決意をする。

永瀬正敏演じるテツオが三國連太郎演じる父親に彼女を紹介するシーンは泣ける。
これまで、いつまで経っても世話が焼けると思い込んでいた末息子が好きな人と幸せを掴んでいく姿を見て、父親が喜びを隠しきれずに寝床から出てきて歌うシーンは、心が温まる。
豪華キャスト陣で、中でもとにかく彼女役の和久井映見が激天使!
この作品には大切な普遍的テーマがいくつもあり、家族を愛おしく感じ優しい気持ちになれる良作。
ちぇるごまる

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