上海十月

息子の上海十月のレビュー・感想・評価

息子(1991年製作の映画)
3.8
公開当時以来の再見である。公開当時はバブル絶頂の頃で主人公の息子は、その繁栄の中で取り残されたタイプ。同じく高度成長期に岩手から出稼ぎに来ていた主人公である父に関しても取り残された存在であり、戦争でも上官から殴られていた。「東京家族」は、かなり小津安二郎の「東京物語」のコピーだと思いますが、実質的な山田洋次版の「東京物語」は、これではないかなと考えます。現在から見直してみると結構現在の状況を予見する感じがしますね。オープニングにも出てくるバングラデシュ人のシーン。今国会で通過した入管法の改正に絡まってる感じもするし、地方からの人口流入がもはや止まっていると言うところで過疎化が深刻になっていることは、まだ感じられないが、直にそうなるであろうと言う予感が伝わってきます。公開当時その1週間後に「あの夏、いちばん静かな海」が公開されており聴覚障害者の映画が相次いでいるなと思い出した。
上海十月

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