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息子のkarmapoliceのレビュー・感想・評価

息子(1991年製作の映画)
4.3
久しぶりの再鑑賞。山田洋次監督三國連太郎主演1991年作品。原作は椎名誠の小説「倉庫作業員」。派手な展開ではなく少しだけ変化していく日常を描く事で、こんなにも感動できるとは・・・・。いい意味で小津監督のエッセンスを取り込んだ山田洋次版「東京物語」とも呼べそうな作品。

息子たち特にダメ息子が生活が豊かになりはしないが、精神的に大きな成長をしていくのを見届けて、岩手の田舎に帰っていく親父。その親父と共に、或いは親父の姿を観て、精神的に大きな感動を体験する事が出来る。ごみごみとした東京の下町と情緒と趣のある田舎の風景の対比も効いていると思う。

盛り沢山に詰め込まれているが、物語はじっくりと意外にゆったりとしたテンポで堪能する事が出来る。三國連太郎と和久井映見の名演の間で永瀬正敏もダメ息子を好演していると思う。観どころ満載の傑作!
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