魚と寝る女の作品情報・感想・評価

「魚と寝る女」に投稿された感想・評価

いや寝てないし!
" 魚と寝る女 " じゃなくて、むしろ " 魚のような女 " だし!
でも原題は " 島 " なんですね... って余計意味不明だし!!

ということで、キム・ギドク作品は僕にはまだ早かったようで、なんとも不思議、ワケワカメ、難解な作品でありました。


とある湖でたった一人で釣り宿を営む女 " ヒジン "。
釣り宿は寝泊まりのできる小さな家のような1ルームサイズの水上に浮かぶ筏(いかだ)で、ヒジンは湖に点在する幾つもの釣り宿を管理し、ボートを出して釣り客の送り迎えをしたり、食べ物や飲み物を売ったり、また時には自らの身体を売って生計を立てていた。

ある日、恋人を殺してしまった罪にさいなまれる男 " ヒョンシク " が、自分の死に場所を探してヒジンの釣り宿へやってくる。

そこで出会ったヒジンとヒョンシクは...



主人公のヒジンは無愛想で終始不機嫌な表情、さらに無口というか一言も言葉を発しません。
もうこの時点でヒジンが何を考えているのかよく分からないというね。

あと、ヒジンは一応人間なので、基本的に普通に陸上で生活しますが、ただ、魚のごとく水中を自在に移動し(服を着たまま、しかもロングヘアーにロングスカートといういでたち。水着着てるわけじゃありません)
へ? そんなとこから登場しますか!?
ってな、とんでもな場所に出没してみたり、あれやこれや奇妙で不可解な行動をとる不思議ちゃんです。

そうなんです、本作ではあたかも人間が魚であるかのような描写がわんさか出てきます。

例えば、" 魚釣り " ならぬ " 人間釣り "
実際、釣り竿使って、釣り針にかかった男や女を釣ったり釣られたりするというね。
それはもう深夜のバラエティ番組でもお目にかかれないようなシュールな絵づらが展開します。

しかもその釣り針の刺さる場所が...
しかも1本じゃなく何本も刺さるというね。

そんで刺さった釣り針を抜くのがもう、、うへぇ、、見てるだけで痛い!痛い!
まあスプラッタ映画ではないので、眉をひそめる程度で見ていられますが、でもこの釣り針のシーン、そこいらの生ぬるい拷問映画より痛いので、イタイイタイ系苦手な人は少し覚悟しておいたほうが良いかもです。

そんな感じで湖の釣り宿を舞台に、人間を魚のように表現したり、実際釣っちゃったりする奇妙な映画なわけですが、これが人の感情とか? 男女の関係とか? 何かを示唆する暗喩、メタファーになっていると思われ、なので分かる人には分かるのでしょうが、僕にはさっぱりで、まさに釣り上げられたお魚のように口ぱっかーんな作品でした。

特にあのユラユラと漂う " マリモ? " は、一体何を意味していたんだろ?

とゆーことで本作、釣り針のシーンくらいしかお勧めできませんが(←そこ勧める?)、哲学的解釈系の作品が好き、もしくはワケワカメ描写の謎解きが好き、もしくは単に人間釣りに興味あり、そんな人はトライしてみても良いかもです。
ちろる

ちろるの感想・評価

3.6
多分みんな人殺し。
みんな前科者の社会不適合者。

どうしても惹かれてしまう自殺願望の男。
愛されたいけれど、投げやりなのは嫌。
好きな男には性処理の相手として考えて欲しくない。
あいされるのならば、私の痛々しい心を知ってほしいという欲望が生々しく、そしてグロテスクにへばりついてくる。

果たしてあの湖には幾人の死体が沈むのだろうか?
人間たちの肉をむさぶり肥えた魚たちがまたもや人間に釣られて食べられそしてまた・・・
「弓」のような御伽噺のような美しい情景が拝めると思ったけど、キム ギドク監督の毒に刺されて怪我をした。
体調不良のときは絶対観ないようにとだけ忠告します。
キム・ギドクは本当に、水とボートと喋らない人が好きなんだなあ。
性と暴力が分かりやすく描かれるが、今見るとそれがどうしたと思っちゃう。まあ寓話性とイメージの連続が持ち味だからそういうもんだろうけど。
釣り針で食道や子宮がズタズタになるのは見るだけで痛い、ただ自傷行為の果てに愛を見つける流れには乗れなかった。
針の形が偶然ハートになってるのダサいっす。
ボートを漕ぐ座り位置反対じゃね?
ははー、ラストカットの水草は陰毛の比喩かー、おもしろいな。
キム・ギドク作品なら『嘆きのピエタ』と『受取人不明』が好き。
いやー!ようわかんねー!!という感じよりかは、いや〜、これは、よく分からんな〜という感じ。静かにぶっ飛んでる感じは割と好きだけど、これは理解するのは難しい。
kiko

kikoの感想・評価

3.1
なるほどなー。とことん愛された男は最後も彼女の藻にからめとられるのであった。皆さんの評価高いですが、個人的にはギドク作品の中ではイマイチでした。
miyagi

miyagiの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

キム・ギドク初期の頃の作品。
鬼才と呼ぶのにふさわしい。
主人公の女性のセリフはキャーだけ。
それで成立させるのだから、すごい。
とにかくセリフが少ないが、それでも脚本が理解できて飽きないのは、とにかく画が綺麗だから。
ロングのヒキ画が多用され、それぞれのカットに置ける人物の配置も素晴らしい。
弓よりも見やすかった。
とはいえ、結構グロいシーンも多く、とにかく釣り竿で人釣っちゃダメだし、局部に針を差し込んではいけない。
ギドク作品にはよくあるが、動物虐待的なシーンも多い。
魚とかカエルだからってバシバシ殺しちゃいかんだろ。っていう。
そういうところで好き嫌いは分かれそうだが、とにかく画が綺麗でストーリーもついてくるので、個人的には好きだ。
後年の悪い男や春夏秋冬〜のほうが中身が詰まっていると思うが、そういう意味で画のクオリティを改めて実感させる一本である。
生々しくて良かった
韓国映画はこうでなくちゃ
個人的にはファンタジー映画と評したい。

意識して見てもストーリーや描写は難解で、私の理解の範疇を越えた部分があった。加えて痛々しいシーンが見る人を選ぶ。

ただ幻想的な風景や、全体を通した雰囲気が妙に印象に残る映画だった。
timrick

timrickの感想・評価

3.4
邦題が残念

このレビューはネタバレを含みます

キムギドク監督の作品は全て大好きですが、本作は特に良いです。

痛々しさに美を感じさせられる稀有な映画だと思います。傑作。

恋人と浮気相手を殺して逃亡している男、そんな男に惚れて罪を犯す女。

主軸にあるのは“嫉妬心”という内面の痛々しさですが、乱暴な性描写(執拗な排泄描写含む笑)や“釣り”描写における暴力性など視覚的にも痛々しいです。
…なんですけど、舞台が幻想的で美しい。湖に浮かぶ小屋たちの叙情的でありながら、現実にはない独特の佇まいが良い味出してます。
(実在するなら訪れてみたいな、と思いましたが全部セットのようです。)

原題はthe isles(島々) 。邦題はミスリードを誘発するという意味で個人的にはネガティブ。言葉としては素敵ですがパンチが強すぎるんですね。たぶん。
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