あんじょーら

兵隊やくざのあんじょーらのレビュー・感想・評価

兵隊やくざ(1965年製作の映画)
3.8
増村保造監督のマラソンレース3つ目。


かなり様々なジャンルを扱った監督さんですね。


昭和18年のソビエト領に近い満州。古参兵でありながら軍隊嫌いで昇進をわざと避ける有田上等兵(田村高廣)は理知的なインテリ派です。そんな有田の部隊に大変曰く付きの暴れ者との噂の大宮(勝新太郎)が配属されます。腕っぷしが強く理不尽な命令を聴けない大宮の周囲には争い事が絶えないのですが・・・というのが冒頭です。




かなり凄いセリフが目白押しです。中でも「俺があいつを裏切っても、あいつは俺を裏切らない」だの「俺についてくると言え」だのこれは観る人が見たらBLそのものです。まぁそこまでいかなくとも、バディムービーと呼ぶことに間違いない作品です。




私は実は勝新太郎の演技しているところは初めてみるんですけれど、なるほど。これは人気あったでしょうね。男が憧れる男、義侠の人、理解出来ます。




対照的な語りべになる上等兵・田村も、大変落ち着いた演技で素晴らしかったです。Wikipedia情報によると田村正和のお兄ちゃんだそうで、全然似てない!




軍隊モノとしてのリアリティありますし、何といっても、今観ると、そこはかとなくオカシみを感じます、当時がどういう評価だったのか?分かりませんけれど、クライムコメディとも言えなくもない作品。




これはますます増村保造監督作品が気になってきました。




そろそろカタパルトスープレックスさんのオススメする大物に行ってみようかな、という気になっております。




しかし、個人的に、俺も軍隊にいたら、真っ先に殺されてんだろうなぁ・・・まず、不真面目だもんな・・・表面上は真面目に見せる努力はすると思うけれど、すぐに音を上げると思う・・・




勝新太郎さんが好きな方、バディムービーが好きな方に、オススメ致します。