菩薩

青い山/本当らしくない本当の話の菩薩のレビュー・感想・評価

3.0
初期のメンツェルだとかフォアマン、ってまぁ要するにチェコ・ヌーヴェルヴァーグっぽくて個々のネタは面白いっちゃ面白いのだが、いかんせんこの映画が皮肉っているのが「遅々として改善が進まぬまま崩壊の一途を辿る社会」なわけで、それをこの映画の中でまんまやっとるもんで、なかなかストレスが溜まる作品だった。一応無責任なたらい回しばかりのお役所仕事に焦点を当て、壁の絵一つ外すにもやれ決裁だ!やら、指揮系統も壊滅しており危機管理能力もまるで無い「終わっている」組織を面白ろ可笑しく描いていて、それがそのまま社会批判に繋がっているのだろうが…どこのおっさんもこんなもんだろって、あのアホな柏のおっさんの件とか思い出してイライラとしてしまった。「青い山・天山」を題名が二つあると思ってる所長のくだり…何回やんねんそれと…。天丼もここまで行くと完全に腐ってくるし、後は時限装置として用意されてる天井のヒビに期待するしか無い。最後にやっとその爆弾が爆発するものの、爆笑!と言うよりは「あぁ…やっと終わる…」との開放感の方がデカい。こんな組織に居たら一年もたずに鬱になる、と言うかまさにこんな感じのとこに居て鬱になったから嫌なもん観たなって思いの方が強い…。病んでる人は観ない方が良いと思う、ちとクドすぎる。
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