Naoya

灼熱の魂のNaoyaのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
2.9
双子姉弟の母親が、ある日プールサイドで原因不明の放心状態に陥り、息絶えた。やがて公証人から母親からの遺言があると伝えられ、2通の手紙を受け取る。ヒューマンドラマ作。突如とした母親の死、そして遺言により、双子姉弟も知らない父親、兄を捜すことになるのだが、何に向かっていくのか予想のつかない奇妙さや不穏さ、母親の謎、行方の知らない父親と兄の存在とは何なのかを追うミステリーさは引き込まれる。過去の母親の生い立ちと、双子姉弟の、死んだとされている父親、そして初耳となる兄の捜索と交互に描かれるのだが、過去と現在を描きながら、ある真実に共に向かう様が秀逸で、終盤の衝撃の真実はなかなかに色濃いものがある。構成が上手い。1+1=2だが、1+1=1でもあった物語は凄まじい。遺言の重みが後半で跳ね上がる様は、万人受けはしないが見応えはある。
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