ハリボ

灼熱の魂のハリボのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.2
【2018年33本目】

ヴィルヌーヴ節。今まで鑑賞したヴィルヌーヴの映画は、今作の根底にもある人間の悲壮感にSFやミステリー、アクションを織り交ぜて演出されてるものでした。今作はその注ぎ足し部分が、削ぎ落とされてよりエモーショナルに描かれていると感じました。(ミステリーではあると思うんですけどね)

Radioheadのyou and whose armyと映像の組み合わせ方が異質なオープニング、そこから繋がる遺言状の紙のこすれる音だけでただならぬ緊迫感。ヴィルヌーヴの代名詞といえる引きで映される広大な背景は、素朴でありながらも感情的。どれもヴィルヌーヴだけが作ることができる独自の表現と空気感。それだけの説得力が映画からひしひしと伝わってくる。

人間の存在の是非を問うのもヴィルヌーヴ作品の特徴。今作も綺麗事じゃない人間の業がありありと描写されてる。ブレードランナーの続編を任せられるのも納得。章?の切り替えに双子とかタイトルが赤文字で出てたのもなんとなくブレードランナーっぽいな〜と思いました。

この監督の映画全部面白い…。すげえよ、ヴィルヌーヴ。

コメントにネタバレ書きます!
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