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灼熱の魂のHeroMのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.0
想定しえた最も残酷で奇妙な真実に辿り着く。
ドゥニ・ヴィルヌーヴの演出が上手い。
見せることと見せないこと、聞き取れることと聞き取れないことがサブリミナル的に効いている。

神の象徴であるクロスがその最たるものである。それは神の博愛を示すのか、はたまた神の死として因果応報の道徳観を虚構と断じたのか。
「共にあることは素敵なこと」という言葉を胸に、映画のその後を考える。

カットの構図や色のトーン変化にもドゥニ・ヴィルヌーヴっぽい上手さがあり楽しめる。

ラストに向けての畳み掛けは「メッセージ」、圧倒的な置いてけぼり感は「複製された男」に譲る。この映画は神と愛についての物語。やはり無宗教の日本人には難しいのかも。
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