灼熱の魂の作品情報・感想・評価

灼熱の魂2010年製作の映画)

INCENDIES

製作国:

上映時間:131分

ジャンル:

4.1

あらすじ

それはあまりにも突然で奇妙な出来事だった。双子姉弟ジャンヌとシモンの母親ナワルが、ある日プールサイドで原因不明の放心状態に陥り、息絶えたのだ。さらに姉弟を驚かせたのは、ナワルを長年秘書として雇っていた公証人のルベルが読み上げた遺言だった。ルベルはナワルから預かっていた二通の手紙を差し出す。それは姉弟の父親、兄それぞれに宛てられたもので、今どこにいるのか分からない彼らを捜し、その手紙を渡す事が、母…

それはあまりにも突然で奇妙な出来事だった。双子姉弟ジャンヌとシモンの母親ナワルが、ある日プールサイドで原因不明の放心状態に陥り、息絶えたのだ。さらに姉弟を驚かせたのは、ナワルを長年秘書として雇っていた公証人のルベルが読み上げた遺言だった。ルベルはナワルから預かっていた二通の手紙を差し出す。それは姉弟の父親、兄それぞれに宛てられたもので、今どこにいるのか分からない彼らを捜し、その手紙を渡す事が、母の遺言だった。しかし兄の存在など初耳で、父はとうの昔に死んだと思い込んでいた姉弟は困惑を隠せない。シモンは母の遺言を「イカれてる!」と吐き捨てるが、ジャンヌは遺言の真意を知る為に、母の祖国を訪ねる事を決意する。いったいその手紙には何が記されているのか?そして母が命を賭して、姉弟に伝えたかった真実とは…。

「灼熱の魂」に投稿された感想・評価

ドゥニ・ヴィルヌーブ祭り、締めの1本。

灼熱の魂…。

あああああああああああああああああ!
魂が揺さぶられる。
ラストの衝撃に心が耐えられない。

ー 人は真実の前に沈黙する ー

劇中の言葉の通りだ。

カナダ、ケベック州に住む双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マクシム・ゴーデット)は亡くなった母ナワル(ルブナ・アザワル)の遺言を受け、既に死んだと思われていた父と兄の存在を知らされる。ジャンヌには父への手紙、シモンには兄への手紙が託され、二人は母の故郷中東の地へ向かう。

母を好意的に思っていなかったシモンはカナダに残り、先に姉のジャンヌが母の人生の軌跡を辿る。

今まで知らなかった母ナワルの壮絶な人生。
僕らが知らなかったレバノン内戦の事実。
キリスト教徒とイスラム教徒による血の歴史。

あまりに壮絶で言葉を失くす。

映画は色んな国の色んな時代を映してくれる。
時に楽しく、時に胸を掻きむしられる様な現実がすぐ目の前に広がる。

この作品はまさに後者だ。

父は亡くなった筈ではなかったのか?
兄は何処にいるのか?

レディオヘッドの不穏な音楽で幕を開け、終盤に明かされる衝撃の事実にまだ心の整理がつかない。
‘純粋数学へようこそ 孤独の世界へ’でも愛はある
凄い話と演出でした。しばらく茫然としてオープニングのバリカン当てられてるシーンを見返しました。
エンドロールが終わっても、しばらくその場を動くことができなかったですねえ。まさに魂が灼かれたような感覚。

もう二度と観たくはない。しかしながら、いつかまた観るんでしょうねえ。
こんなにも洗練されていて心を抉られる映画って現世にあるのかな


オープニングのRadioheadと少年の目付きで完全に心を奪われました
ボウイ

ボウイの感想・評価

5.0
亡くなった母が託した2通の遺言。
1通は父親へ、1通は長男の息子へ。
双子の兄妹が激動の時代を生きた母親の足跡を辿る。

心を焦がす灼熱の結末。
マサヤ

マサヤの感想・評価

4.5
母が残した遺書を頼りに、未だ見ぬ父と兄を探す旅に出た双子の兄弟。二人の母は、『レバノン内戦』の戦火であらゆる虐殺、恥辱を目の当たりにしていた。知られざる過去を追体験しながら、やがて隠された真実に迫っていく。力強く壮大に描かれた映像世界に震える。
ジーハ

ジーハの感想・評価

3.7
1+1=1…何度も呟くシモン。
そして、突然驚愕し涙するジャンヌ。
この状態に着いていけてない私は更に混乱。

…全ての真実か明らかになり、1+1=1の意味を理解したとき…その衝撃は鳥肌もの。
ナワルが子供たちに託した真実。ナワルがそれを追って、無に帰することにした理由…。

人は真実の前に沈黙する。

ラストは全てこのフレーズに通じる。
これだけ残酷な事実を知った
エンディングをむかえながら…
なぜか神聖な気持ちになりました。

最後に残ったものは、
憎しみではなく愛だけ。

…深すぎる。
ヤマダ

ヤマダの感想・評価

4.2
ドゥニ・ヴィルヌーヴのストーリー・テリングの能力は本当に素晴らしい。
さりげない台詞や演出にその作品の根幹にあるテーマを象徴する「何か」を練り込ませる巧みさがあり、作品が複雑な構成であっても分かりやすく、長尺である事も微塵も感じさせない。
どの作品も人間が持つ、業の深さや包括的な愛の神秘性を描いているが、「灼熱の魂」は特にその特性が色濃い作品であるように思う。母性という概念を強調している事からも「メッセージ」が好きな人には相性がいいのでは。と、快活な物語では無い為軽く言える事では無いが…。
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