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赤ずきんのkuuのレビュー・感想・評価

赤ずきん(2011年製作の映画)
3.5
『赤ずきん』
原題 Red Riding Hood.
映倫区分 G.
製作年 2011年。上映時間 100分。
キャサリン・ハードウィック監督が、グリム童話の『赤ずきん』の“その後”を描く。
主演は『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライド。
ゲイリーオールドマンは、映画の26分後まで公式に出演しましぇん。

時代は1300年代(予告編によると、物語は1300年代に設定されてます。映画自体には日付が記載されていませんので悪しからず。)
美しい大人の女性に成長した赤ずきんバレリーは、幼なじみピーターと、親が決めた婚約者ヘンリーという2人の男の間で揺れていた。
親の反対を押し切りピーターと駆け落ちすることを決めた矢先、バレリーの姉が何者かに殺される事件が発生。
魔物ハンターのソロモン神父は、満月の夜にオオカミに変身する人狼の仕業だというが。。。

今作品の題名が馴染みの
『赤ずきんちゃん』
じゃなく、云い捨てるような
『赤ずきん』
やし何かしっくりこない。
なんでかなぁと、ちょいと考えるに、
『赤ずきんちゃん』
って言葉にはメタファー(暗喩)の中の
メトニミー(換喩。英: metonymy)ってやつが含まれていて、
『赤ずきんちゃん』
って聞くだけで多くの人は
『赤いずきんを被った女の子』
って想像ができる。
ほんでもって
『赤ずきんちゃん』
ちゅう名前は
『赤ずきん』と違う。
『赤ずきんちゃん』
って単語だけで赤いずきんを被った女性でもなく男の子でもなく女の子になる。
これがアナロジーによるメタファーであんねんけど、だから題名が
『赤ずきんちゃん』
で主人公が女の子ならしっくりときたのかも。
ほんでもって、この映画の題名は
『赤ずきん』
で主人公は美しく育った女性。
まだ題名が
『赤ずきんちゃん』
で主人公が大人の女性じゃもっとスッキリしなかったやろうし、邦題つけた人は苦肉の策で『ちゃん』
を抜いてより映画の内容に添うように
『赤ずきん』
にしたんかと寄り道しマクリマクリスティ~で入ります。
ってその前に本来の『赤ずきんちゃん』ってどないな噺しやったかなぁっと。
恥ずかしながら、詳しく知らんが視聴開始。
終わってから『赤ずきんちゃん』の本来の御伽噺を知るフムフム。
途中、六本木クラスを見逃しで流し見しつつ、竹内涼真、新木優子の高校生は有り得んやろっとボヤキつつ、感想カキコミ。
扨、今作品やけど、森の外れの北欧神話のドワーフでも居そうな村に住む美しきヴァレリー(『レ・ミゼラブル』のコゼットとは全然ちゃう感じやなぁ)は望んでない許嫁相手のヘンリーとの結婚が迫っとった。
ヴァレリーにゃ、ピーターちゅう将来を誓い合った相手がいたんやけど、駆け落ちをするちょいと前に、彼女の姉ちゃんが狼に殺やれちまう。
村は騒然となり、そこで村人達は魔物ハンターであるソロモン神父を呼び寄せるってよく見たらこの人『シド・アンド・ナンシー』のシド・ヴィシャス役をやっとった人やんっ。
シドチェーン身に付けてないか目を凝らしたが無し。ナンシーっ!(意味不明)
んで、その到着を待たずに狼狩りに向かってしまう。
狼を仕留めた村人やったが、漸く到着したソロモン神父は、それがただの狼で、村人の中に、魔物”人狼”が潜んでいることを告げるから話は大きくなってくる。
さらにソロモンは、魔物のひと咬みで、呪いが伝染するちゅう、”血の月”の伝説を語り、村人をビビらせるんやけど。。。。
賢い狼が幼い少女を騙すちゅう、御伽噺と云うより、クライム感を漂わせる『赤ずきんちゃん』の物語を、ファンタジックな雰囲気と映像で、サスペンスホラーに近い内容になってる作品でした。
でもお子さんにはちょいとドギツイかも。
逆に大人には緊迫感や恐怖などは控えめやし、消化不良的で腹が痛くなる展開が大人にゃ物足らへん感じを受けたのは否めませんが、 古典的なグリム童話の物語に暗いひねりを加えたものであることは間違いないし、生々しい部分もあり面白いと作品やったと思います。
また、監督のスタイルが独創的だし、ロマンスと恐怖を見事に融合させている部分は評価高です。そして、地味でありながら憂鬱な設定が、このゴシック様式の再話に命を吹き込んでいた。
なにより、赤ずきんを演じたゲイリー・オールドマンの演技はいつもながら素晴らしいものでした。
血に飢えた悪役として、狼男を探し求める。
かつて静かだった町に恐怖を与えていた人狼を探すために。
ヤコブとウィルヘムも喜んでいたことでしょう。面白い作品でした。
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