砂

火の馬の砂のレビュー・感想・評価

火の馬(1964年製作の映画)
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いわずもがなパラジャーノフの、実質一作目である本作。DVDが手に入ったので鑑賞。確かにこの時点でほぼスタイルが決定しているようで、絢爛な極彩色と呪術的な音そしてイメージの氾濫が本作でも見られる。まだ実験的な方法なども垣間見えるものの、そのまま4年後に繋がっている。「映像美」と言葉が持つイメージにはそぐわないと個人的には考えているのだが、非常に印象深いカット/ショットが断続的に描かれる。場面転換など象徴的な映像表現で表現されるため、少しわかりにくいが一応核となる物語はある。が、そればかりを追って観るというのは少し違うなと思いながら観た。物語自体はまるで伝説のようであるし、けれど物語性のみに回収されては見えなくなってしまうものが多々あるだろう。まだ本作と「ざくろの色」しか観てないので監督自身への総評というかその辺は何も言えない。

また特典映像がよくて、タルコフスキーとの共通点や親交などがドキュメント・映像のミックスで語られる。なるほど確かに、と気づける点が多い。彼らの作品の映像が交互に流れること自体もまた違った見え方があった。
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