歩くチブ

エイミーの歩くチブのレビュー・感想・評価

エイミー(1997年製作の映画)
4.4
これはただの泣ける映画じゃない。

大切な人を殺して泣かせようとする映画は嫌いだ。そんなもん悲しいに決まってるじゃん。泣くに決まってるじゃん。

本来、映画を観て泣くというのは表面上の出来事に感化されるからではなく、立場や心情を理解し同情し感情移入するから涙が出るんだ。
その一番大切な部分をほとんど描かず、大切な人が死にました。ほら悲しいでしょ?泣けるでしょ?鼻水出ちゃうでしょ?みたいな映画が多すぎる。泣けることだけを宣伝材料にした映画は最初から観たいと思わないけど。

この映画は、目の前でパパが死ぬという想像を絶する悲しい出来事を経験したママとエイミーの心情を丁寧に描いていて、そこに監督の映画への愛情を感じざるを得ない。
観終わってからも、その後の二人や周りの優しい人たちに想いを馳せ、エイミーの天使のような歌声を思い出せばいつでも温かくて優しい気持ちになれるはずだ。良い映画ほど思い返した時に良い映画だったと気づくものだ。

映画好きな人なら世の中の良い映画を全て観たいと思ったことが一度はあると思う。
しかし人生は短い。数ある映画の中からこの映画に出会えたことは自分にとって幸運だった。

今まで観てきた映画の中でもトップ10に入るくらい終わり方が素晴らしい。

あれこれ書くことはない。

いつか娘と一緒に観ようと思う。
歩くチブ

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