とても静かな世紀末感漂う北欧スウェーデンの小さな村の教会で神の存在を疑う牧師のトマスと、彼を愛する者。そして数少ない信者たちの風景。
「神の沈黙」3部作の1作と呼ばれる作品ではありますが、わざわざ3部作に括らなくても、それはベルイマン作品における共通テーマであるかと思います。
その核の部分を前面にグイグイ押し出し、より絶望感をアピールしたものが本作と言えるのでは。。
主人公トマスはまるで牧師であるベルイマンの父とベルイマン自身を同居させたかの様な男。
彼を通じて神への不信心、疑いを抱きつつも信じようとする姿を描いているのではないでしょうか。
そして安心のマックスフォンシドー、イングリッドチューリンの共演。
シドーとチューリンがメインと思いきや、シドーさんはほとんどちょい役でした。
トマスが手紙を読むシーンでは、メッセージビデオのようにチューリンが現れ、カメラ目線で語り出す。
この演出センス、、
これは神への冒涜を意味する行為でもあるようです。
全体を通し、静かで小難しく重々しい内容なので、人によっては入り込みづらいかもしれません。
唯言えることは、難解と呼ばれる他の作品を紐解く為のヒントがこの作品に込められているのではないでしょうか。