放蕩息子

人生はビギナーズの放蕩息子のレビュー・感想・評価

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)
3.8
終始オシャレな雰囲気を崩さなかったよね。セリフのときにめちゃ寄ったり、ピアノの曲、繰り返しとなる単語とイラストが特徴的で美しいのよ。カメラが目線から離れすぎないのが良かった。そして、随所にあるこの映画の雰囲気とマッチした詩的なセリフや言い回しは時に心の奥深くまで突き刺してくる。が故に、が、故に、この映画そのものが大きな問いかけになっているような、そんな映画だった。現在と、そんなに昔ではない過去。しかし辿ればもっと奥深くに主人公の闇の根元はあり、時間が流れれば流れるほど闇の中に足を踏み入れていくような、あまり体験できないような構造だった。普通は道を示すんだけど、この映画は最後の最後まで道を示すことはなくて、しかも一言のみで完結させる。この映画の凄いところはそんな問いかけるようなメッセージを観客に伝えながらも、前を向こうと思わせてくれるところ。ユアンマクレガーがトイレに向かって薬捨ててるときのあの角度くらい下を向いてたやつでも、この映画を見ればきっと前を向いて歩ける。そこのお前とお前とお前とお前だよ。あと俺だ。そして、監督はそのオシャンティの言語化を嫌う!!美術館での母親のシーンはそれの象徴でしょ。ならば多くは語るまいて!!!!
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