高齢の父ハル(クリストファー・プラマー)が突然のカミングアウト。ほどなくして闘病生活に入り、やがて亡くなる。
残された息子オリバー(ユアン・マクレガー)は哀しみに囚われていた。友人たちが誘ってくれた仮装パーティで、男装の美女と出会う。一目で彼の心の内を読んだ彼女にオリバーは心惹かれてゆく。端正だが軽やかなものごし。その茶目っ気とウィットがオリバーの心をほどいてゆく。
パパがゲイだったという設定を笑いに流さず、真摯に取り上げ作品のテーマとみごとにすり合わせ昇華させている。
親子の縮まらない距離。愛されていないとは思わないがどうしても付きまとう疎外感。この重く鬱な感覚を、少し滑稽に演出している。「ガープの世界」みたいな洒落にならんことも笑ってしまえ主義、憧れる。その風味を少し感じる。
パパとママの関係は幼いオリバーにとっては謎だったが、その伏線も最後に回収される。期待してなかったから、嬉しかった。
悲しげで疲れたような顔のユアン、絵になる。
それと同じくらいメラニー・ロランのいたずらっ子のような表情がたまらなくチャーミング!
そしてハルの飼い犬だったアーサーの無垢さを体現するたたずまいにノックアウト!この可愛さ、我慢の限界超えてる。映るたんびに可愛い!と叫んでしまう。