てづか

人生はビギナーズのてづかのレビュー・感想・評価

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)
5.0
どうしようもない孤独の物語

母の死後、唐突にゲイだとカミングアウトした父をもつ38歳独身男性の恋の話

今まで観たなかで1番ユアンの演技が光ってると感じました。世界中で自分一人ぽっちみたいな表情が秀逸。大事なものを持ちたくないのか、喪うことへの恐れか、自分から全てを手放そうとする姿が痛々しくも愛おしかった。
「なんだかいつもうまくいかないような気がして、自分からうまくいかないようにしてしまう」
っていうのはすごくよく分かる〜!!!!!私もそう。上手く行きそうになるほど怖くなってダメにしたゃうんだよなあ。アレほんとなんなんだろう?

ヒロインのアナも孤独を抱えていて、そんな自分では オリヴァーの孤独は到底癒せないんじゃないかと重荷に感じている。

それでもきちんと向き合うと決めたオリヴァーの成長には泣けた。
亡き父に似た男性を偶然目にして動揺しているオリヴァーを包むようにして抱きしめるアナのシーンが素晴らしい。

そしてジャック・ラッセルの可愛さ〜!!!!!
とってもお利口!!!!!

ゲイだとカミングアウトしてからのお父さんがすごく生き生きとしていて人生を愛しているのが画面越しにも伝わってきて泣けた。オリヴァーもそれに戸惑いつつも否定はせず、ただあたたかく見守っていただけなのも印象的。

父の死後に父の恋人に会いに行くシーンがたまらなかった。同じ孤独を分け合って生きていくしかない。

なんてったって、人生はビギナーズ。試してみないと分からないのだ。

大きな起伏はない物語だけど、個人的には大好きな雰囲気の映画。DVDちゃんと買お。
てづか

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