Otun

イリュージョニストのOtunのレビュー・感想・評価

イリュージョニスト(2010年製作の映画)
4.0
そーいや、最近アニメ全然観てないなぁと思い、いつからだろ、と自分のレビューをさかのぼって確認してみた。
一年ほど前の、『メアリとおっさん二人と魔女の花』から観てなかった。
なるほどね。食傷Otunだったのね、私。
と言う訳で、久しぶりのアニメ作『イリュージョニスト』。

全編ほぼサイレント。1人の老手品師が、田舎街や場末の劇場を廻るうち1人の少女と出会う。彼女は手品師の芸を魔法だと、手品師を魔法使いだと信じて彼のドサ廻りの旅に同行する。

切ない。彼女の希望を叶えようとする手品師も、無垢でむちゃくちゃ世間知らずな少女も。
ピエロがシチューを手にするタイミングも、腹話術師の人形がショーケースで『free』になってるのも。山に相棒のウサギを放すのも。

人の諸行無常。
それが、むちゃくちゃ暖かなアニメーションの中で描かれておりました。
ラストの置き手紙。たまらんなぁ。
何より、今作の原案が、ジャックタチが娘に遺したものだと聞いて。また。
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