ばんがど

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃のばんがどのレビュー・感想・評価

4.4
ゴジラ映画の保守本流を見事に再定義した名作。
単なるモンスター映画に成り下がったエメリッヒ版GODZILLAへのアンサームービーでもある。最強かつ最恐かつ最凶の権化となったゴジラ。第一作のゴジラを研究し、ゴジラとして描かねばならないことを追求した結論としてシリーズベストのキャラ設定。これこそゴジラだ。
その対立軸として日本古来の伝承とリンクさせた三代神獣を置き、キッチリ怪獣バトルを展開。平成ガメラとは異なり科学的アプローチに寄せなかったのもいい判断。(入れたらゴチャゴチャになってただろう。)
ゴジラの本質と怪獣バトル。それだけでも十分なのだが、本作が見事なのは一番盛り上がるところを人間ドラマに託した点だ。やらなければならない仕事に目覚める父娘。
「他の誰かならよかったか?」
このセリフから始まるシーンは本気でシビれた。互いに尊重し合う二人の関係は本当に輝いている。あってないような人間ドラマになりがちな怪獣映画の中で主人公たちをここまでドラマチックに描いたゴジラ映画は他にない。
オープニング、バラゴン戦、砲撃開始からの千年竜王覚醒。金子大谷コンビならではの、映像と音楽と台詞がビタビタビタとハマりグイグイ攻めてくるシーンも要所要所で展開され圧倒される。
横浜決戦の後半の息切れとキングギドラの造形がイマイチなのがマイナスだが、それでもビオゴジと並んで間違いなくシリーズベストだ。
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