MANU

ナイト&デイのMANUのレビュー・感想・評価

ナイト&デイ(2010年製作の映画)
4.7
2010年(アメリカ)
原題:KNIGHT AND DAY

監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:パトリック・オニール
音楽:ジョン・パウエル

出演(日本語吹替):
トム・クルーズ(森川智之)
キャメロン・ディアス(石塚理恵)


製作:トッド・ガーナー、キャシー・コンラッド、スティーヴ・ピンク、ジョー・ロス
製作総指揮:アーノン・ミルチャン、E・ベネット・ウォルシュ

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トム・クルーズとキャメロン・ディアスの2大スター競演のアクション。

CIAのエリートが濡れ衣を着せられて巨大組織に孤軍奮闘する系のアクションは元々好きなジャンルだし、
一般人が壮大な陰謀に巻き込まれていく中で覚醒していっちゃう系の話も好物なのですが、
今作は中でも特に優れていて、なぜ興業も振るわず世界的にも低評価なのか全く分かりません。

トムもキャメロンも旬を過ぎた俳優という意見もあるみたいですが、めちゃめちゃ味のあるいい芝居してたと思いますけどね。
普段はアクション映画には男女の色恋を入れない欲しいと主張する筆者ですが、今作はなぜかすんなり見られたし。

肝心のアクションもすごいよくて。
飛行機の中での徒手アクション然り、アメリカでのカーチェイス然り、どれも派手だしよくコンテが作り込まれてるんだろうなってのが伝わってきてすごい見応えありました。
特にスペインでのバイクを使ったカーチェイスは何度観ても興奮する。
闘牛大会も混ぜちゃうかーと。

アクション以外の演出も好きなものばかりでした。
お気に入りはロイがジューンを連れて逃走するときの点描。
文字通り陸海空駆け抜ける感じ。
あれによってロイのサバイバル力の高さの裏打ちが出来て、特殊工作員としての深みや説得力が増すし、
同じ手法をクライマックスのジューンがロイをさらうシーンでも使われてたのがギミック利いてて面白かったです。
後は序盤、街から抜け出してひと段落したところでロイがジューンに「ゼファー」の説明をする夜間の車中のシーン。
終始2人のカットバックなのとロイがずっと目線を正面から外さないからつい運転してるものだと思いきや、
シーンラストでズームアウトのロングショットになって実はトレーラーに乗って隠れてたってことが分かるくだりとか。
監督のセンスがいちいち粋。
遊び心効いてるしほんと面白い見せ方するよなあって思わされました。

センスと言えばロケ地も相当良かった。ロケ地というか背景。
上述の車中のシーンの背景に流れる夜景も然り、ヴェネツィアやスペインの街並みも美麗。
こういう工夫をするだけで一般的なアクション映画より幾分上品に見えちゃうから不思議です。

そんなこんなで個人的には滅多につけることのない☆4後半にレイティングしたくなるくらいの良作なんですよね。
逆に多くの人から支持されてる作品については大して響かないこともちょいちょいあるので(もちろん響く場合もたくさんありますが)、
なにかしら一般的な「目」とずれてる部分があるんでしょうね笑

他にもめっちゃ分かりやすいハッピーエンドなところとか、ロイの両親にホーン岬行きのチケットを送っちゃうほっこりしたくだりとか、
脚本に関しても褒めちぎりたいところがたくさんありますが、ほんとにキリがなくなっちゃうのでここらで締めます。

恐らく数少ない死ぬまでに何度も観る映画になるでしょう。
MANU

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