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ナイト&デイのMUAのレビュー・感想・評価

ナイト&デイ(2010年製作の映画)
3.5
面白い映画ってのは、こっちが頭からっぽで何も考えたくないーただ面白いものを詰め込みたい、と言う欲求をちゃんと掬い取って楽しませてくれる。そこがすごいと改めて思う。
個人的に勉強になったのは、銃を持ってしまったキャメロンディアスが逃げる時のシーン。次のカットで街中のゴミ箱が映り、走り出すキャメロンに合わせて向こう側にあるゴミ箱自体がそのシーンの中央にスーっと移動するような映り方をする。その瞬間、視聴者は「あ、キャメロンこの銃ゴミ箱に捨てるな」と悟り、事実その通りになる。これがすごい。見てるものを悟らせる”誘導”の様なゴミ箱の立ち位置。きっとこんなカットはありふれているのかもしれないが、今日改めて凄い!と思った。
こういう積み重ねがヒットになるのだろう。商業映画の凄い所は、こちらの曖昧な欲望(頭を使いたくないが面白いものを見せろ)を丁寧に満たしてくれるが、改めて見返すと実はこちらが結局は手の上で転がされている・・・という所だろうか。ごちそうさまでした。
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