かぐや姫は、当時のヒゲダンだった。
かぐや姫は、「神田川」の大ヒットの後、「赤ちょうちん」そして、「妹」と連続ヒットを飛ばしたフォークグループ。
この映画の翌年の1975年に一旦解散。 その年に出した「かぐや姫フォーエバー」のベストアルバムをよく友達と聴いたもんだ
さて、本作が公開された74年には、同じかぐや姫の「赤ちょうちん」映画化された。
どちらも、藤田敏八監督作、秋吉久美子主演で、その年のキネ旬の9位、10位に入っている。
どちらも、曲から発想した映画で今言えば
「糸」とか「雪の華」のようなもの。
僕は音楽評論家ではないので、正確ではないかもしれないけど、
当時のフォークソングは、生活感を全面に出した曲で世に出てきた。
「僕の髪が肩まで伸びて、」
「二人で行った横丁の風呂屋」
「雨が続くと仕事もせずにキャベツばかりをかじってた。」
だから、そんなフォローソングの世界を
映像化するのは、イメージしやすいのかもしれない。
「赤ちょうちん」も本作も、貧しいながらも、街の様子は生き生きと描かれ、
フォークソングの時代やなあ〰と、同世代都市とは懐かしく観ることができた。
ただ、「赤ちょうちん」か男女の同棲がテーマだけに、お話としては作りやすかったのに対して、
「妹」は、歌の世界、特に具体的な歌詞がもうドラマ性が強いだけに、
物語の面白みと現実感にやや乏しい気がした。
本作、当時以来の再見だが、物語の繋がりや最終的にどこに向かうかがイマイチ定かでない、彷徨った印象を持ってしまった。
伊丹十三のエピソードなんか、完全に蛇足だし、
藤田敏八演出もひと昔前的なダサさが気になってしまったなあ、、、
まあ、早稲田の辺りの風景は個人的にも懐かしいかったし、
相変わらず、当時の秋吉久美子は、めっちゃ可愛いんだけどね。
やや、古びてしまった作品となった感はあるな、、、
ちなみに僕が一番好きな、かぐや姫ソングは、「おもかげ色の空」です。