ひでG

妹のひでGのレビュー・感想・評価

(1974年製作の映画)
3.3
かぐや姫は、当時のヒゲダンだった。

かぐや姫は、「神田川」の大ヒットの後、「赤ちょうちん」そして、「妹」と連続ヒットを飛ばしたフォークグループ。

この映画の翌年の1975年に一旦解散。 その年に出した「かぐや姫フォーエバー」のベストアルバムをよく友達と聴いたもんだ

さて、本作が公開された74年には、同じかぐや姫の「赤ちょうちん」映画化された。

どちらも、藤田敏八監督作、秋吉久美子主演で、その年のキネ旬の9位、10位に入っている。

どちらも、曲から発想した映画で今言えば
「糸」とか「雪の華」のようなもの。

僕は音楽評論家ではないので、正確ではないかもしれないけど、

当時のフォークソングは、生活感を全面に出した曲で世に出てきた。

「僕の髪が肩まで伸びて、」

「二人で行った横丁の風呂屋」

「雨が続くと仕事もせずにキャベツばかりをかじってた。」

だから、そんなフォローソングの世界を
映像化するのは、イメージしやすいのかもしれない。

「赤ちょうちん」も本作も、貧しいながらも、街の様子は生き生きと描かれ、
フォークソングの時代やなあ〰と、同世代都市とは懐かしく観ることができた。

ただ、「赤ちょうちん」か男女の同棲がテーマだけに、お話としては作りやすかったのに対して、

「妹」は、歌の世界、特に具体的な歌詞がもうドラマ性が強いだけに、

物語の面白みと現実感にやや乏しい気がした。

本作、当時以来の再見だが、物語の繋がりや最終的にどこに向かうかがイマイチ定かでない、彷徨った印象を持ってしまった。

伊丹十三のエピソードなんか、完全に蛇足だし、
藤田敏八演出もひと昔前的なダサさが気になってしまったなあ、、、

まあ、早稲田の辺りの風景は個人的にも懐かしいかったし、

相変わらず、当時の秋吉久美子は、めっちゃ可愛いんだけどね。

やや、古びてしまった作品となった感はあるな、、、


ちなみに僕が一番好きな、かぐや姫ソングは、「おもかげ色の空」です。
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