たらこパスタ

カラマリ・ユニオンのたらこパスタのネタバレレビュー・内容・結末

カラマリ・ユニオン(1985年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ンンンンンーーーー!好きです...
15人のフランクたちから構成される労働者同盟カラマリユニオンの面々が今いる最低な感じの街を脱出し、街の反対側にある理想郷のような街へ向かう過程が描かれています。
フランクたちの旅路は決して順調ではなく次々と理由が明かされないまま次々と脱落していくのですが、その様子がおかしみも交えた描かれ方で、おかしみとシビアさのシナジー効果すら感じました....なんだこれは!
中景に労働者階級から上流階級へのジャンプの厳しさということ、さらに遠景にユートピアを目指してもそれは存在しないこと の寓意をユーモアとかっこよさとシビアさを絶妙な具合で両立して描かれた物語というふうに感じました!
港で打ち上げられてしまった小魚のシーンで生存率が低い動物ほどより多数の子孫を産むことを思い出されたし、それがフランクたちに重なった
15人みんながフランクという名前だったり、経緯が一歳わからないまま亡くなってくフランクや伝聞でしか分からない理想の街と今の街の状況、平坦な発話と表情で淡々とした人物、それらが全部浮かずに強い説得力を持っていて求心力が激強い!!
ワンシーンの長さが結構短く時間もかなりザクザク削られているのですが、この語る内容に対する無駄の無さが強い説得力を生み出しているのかなと思った。
あと、服とか、渇いててざらついた街並みとか、音楽とかその演奏シーンとか しかもそれがめっちゃお洒落な白黒映像で本当にかっこいい....それと同時ににくめない間抜けさがお互いを弱めることなく両立していて、これ好きすぎました
たらこパスタ

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