Tig

ゴーストライターのTigのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーストライター(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ポランスキー監督のサスペンス。元大統領の自伝執筆を依頼された主人公がゴーストライターを引き受けた事から巨大な陰謀の片鱗に触れ巻き込まれていくお話。

静かで嫌ーな空気が作品を支配していて、ピアース・ブロスナンの元首相が一見ジェントルだけれども神経質な性格でいかにも不穏な印象を与えます。秘書のアメリアや妻ルースの存在も不気味です。どこにいても必ずだれかが見ている心地悪さと下手をすると命を取られかねないという不安、それ故に答えを余計に知りたくなってしまう好奇心。ポランスキー監督ワールドが静かに炸裂しています。

ユアン演じる主人公は当初は自伝を書く為の聴き取りが中心でしたが、次第に前任者の死に疑問を持ち始めます。
推理をしていく過程で、前任者のカーナビの履歴が手掛かりになって関係者を突き止める下りは新鮮でした。これは原作者の経験が基になっているとの事。

てっきりラング(ピアース・ブロスナン)が黒幕でユアン演じるゴーストライターがそれを突き止め対峙する話だと思い込んでいたのですが、終盤あっさりラングが消えてしまい一瞬呆然。ここら辺から一気に背後にお約束のあの機関が関わっている事を想起させます。ラングが消えた理由は直接的にその機関が手を下したわけではないのですが。

何故主人公が危険を冒してまで謎解きをしたいのかが正直わかりませんでしたが、やはり先述した好奇心なのでしょうか。
ある人物を柱にして関係者が線でつながっていた事を突き止めます。

出版記念パーティーで、メモをまわすシーンは、こちらもボルテージが上がりましたが、ラストで一杯食わされました。
やられたーって感じなんですが映しだされるカットも秀逸です。あえて見せないよ、みたいなポランスキー監督のこだわりが作品の印象を強固なものにしてくれます。

ミステリー好きなら観て損はない傑作。