kazマックスグローバーレッド

奇跡の人のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

奇跡の人(1962年製作の映画)
3.8
ヘレン・ケラーが初めてしゃべった言葉が「ワーラー」って知っていたのは、多分 子供の頃に図書館で「学習まんが世界の伝記」みたいなのを読んでたからだと思う。

南北戦争後にアメリカ南部の金持ち両親に甘やかされて育ったヘレンと家庭教師サリバン先生の意思の疎通が全然うまくいかないんです。心を閉ざすヘレンの心を開かせようとするサリバン先生。それでカギが重要なメタファーになっていたのか、深い深い井戸の底へポッチャンだったもん。

サリバン先生がご両親に「ヘレンの悪いとこは目や耳じゃありません、あなたがたの愛と哀れみです、ペットのように扱ってる。」
行き過ぎた愛情が実は人としての尊厳を奪っていたんだなと印象に残る台詞だった。


少し前に『左利きの拳銃』を見て、『俺たちに明日はない』も監督した「無法もの映画」の印象が強いアーサー・ペン監督がヘレン・ケラーをどう描くのかずっと気になっていて見たんだけど、これはこれで凄まじいかった。冒頭からヘレンが揺りかごをひっくり返すシーンは見ていて思わず声がもれちゃった。

キャストもずっと気になっていて、ヘレン・ケラーを演じるパティ・デュークはあの『グーニーズ』マイキーことショーン・アスティンのお母さん。だからパティさんの顔を見てるとちょいちょいマイキーとダブって見えるのが気になるところ。まぁ親子なんだから似ているのは仕方がないんだけど…。

サリバン先生役のアン・バンクロフトは『卒業』のMrs.ロビンソンのほうを先に見てたのでエロい熟女のイメージがあって大丈夫かなって思ってたけど、そんなことも忘れてしまうほど圧巻の演技でした。この映画の2人がアカデミー主演女優賞と助演女優賞を受賞したのも納得です。