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奇跡の人のmikanmcsのレビュー・感想・評価

奇跡の人(1962年製作の映画)
3.5
「風と共に」や「サウンドオブ」、「ウエストサイド」など誰もが認める名作を回避する性質のある私は、本作も未見でした。先日「ボブおじさん」さんと「浅野公喜」さんのレビューを拝読し、興味を持っての鑑賞です。(監督は「ボニー&クライド」のアーサー・ペンだったんですね!)

本作はヘレン・ケラーとサリバン先生の感動バナシ、くらいは知ってましたが、あとは予備知識無しでした。ヘレンに基本的な生活態度やアルファベットを教えるプロセス、もうこれ、ほぼ格闘技じゃないですか。「コトバ」や「意味」を知らないで育った子供になにかを教えるには、力も使わざるえないよなあと思いつつ、両親に対しての態度とかみるにサリバン先生自身も結構武闘派。

映画はヘレンがサリバン先生の指導で次第に「人間」になっていくプロセスを描き、「言葉の意味」を理解するクライマックスで感動頂点、というわかりやすい構造でしたが、元が戯曲だけあって、ヘレンという極端な存在を通して「言葉と意味と世界認識」「愛情と哀れみ」「規律」=>「人間とは」に関する様々なテーマが込められているように思いました。一言で言えば結構、難易度高い映画との印象です。もう一度観たいかと言われると、「うーん」という感じですが、「一度は観ておきたい名作」であるのは確かですね。

映画を見た後、恥ずかしながら「ヘレン・ケラーって偉人伝とかで有名だけど、そもそも何をした人だっけ!?」と思い調べました。ああ、そういう方だったんですねえ。。。
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