Wakana

怒りの葡萄のWakanaのレビュー・感想・評価

怒りの葡萄(1940年製作の映画)
4.0
プア・ホワイトとプロレタリア。
"the land of milk and honey"ってカリフォルニアのことを描写するシーンで、なんか聞いたことがあると思ったら「出エジプト記」でカナーンを指す言葉だった。なるほど不景気のオクラホマことエジプトを脱して、砂漠を超えてカリフォルニア・カナーンにたどり着くものの、それは苦難に次ぐ苦難の始まりになる。
豊かさを求めて西へ向かう様子はその昔のフロンティア開拓のようにも感じる。そしてそんなロマンスは資本主義の煽りを受けて崩壊し、西部はどんどん侵されていってしまったという嘆きの声も聞こえてくる。だからこそ余計に「赤」が新しい救いの手に見える。労働者たちよ立ち上がれってね。彼らの物語での役割がうまくて感服。
そしてMaの「土地があることで家族の結びつきが強くなる」ってセリフが興味深い。確かに、アメリカ人はネイティブ・アメリカンを除けばすべての国民の先祖が移民。自分の土地を持つことでようやくアメリカ人としてのアイデンティティを守ることができたのかも。

スタインベックの神秘主義ってとても面白そうなのだが、いかんせんキリスト教のお勉強不足でなかなか難しい。