Mikiyoshi1986

怒りの葡萄のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

怒りの葡萄(1940年製作の映画)
4.0
本日8月31日はアメリカが誇る西部劇の神様ジョン・フォード監督の没後44年目に当たります。

彼自身の最高傑作「駅馬車」を世に送り出した翌年には既にジョン・スタインベックの名著「怒りの葡萄」の映画化が為され、その社会派な切り口から国内で賛否を巻き起こしたジョン・フォード。

近代化に伴うアメリカ資本主義の弊害、またジョード一家を通して人間の不屈の精神を描いた本作は、
西部開拓時代を経たアメリカのその後に焦点が置かれており、謂わば"ネオ西部劇"と云えるのかも知れません。
決死の開拓によって土地を手に入れ、個々の家庭が町というコミューンを各地に築き上げていった20世紀以前。

しかし地主によってオクラホマの土地を逐われ、多くの犠牲を払いながら移住した夢のカリフォルニアでも目の当たりにするのは過酷な現状。
世界恐慌を経て立ちはだかるアメリカの新たな敵に、果たして成す術はあるのか。
この世の不条理と対峙しながらも、希望を棄てず闘い続けることこそが人間に与えられた使命なのだとしたら…。
艱難汝を玉にす。
ドライヴインの人情劇は一番の名シーン。
Mikiyoshi1986

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