イチロヲ

パンツの穴のイチロヲのレビュー・感想・評価

パンツの穴(1984年製作の映画)
3.5
博多から多摩市へと移住してきた中学生の少年(山本陽一)が、一目惚れした少女(菊池桃子)を振り向かせるべく、性のアドベンチャーを繰り広げる。異性に興味津々な中学生たちの下半身事情を描いている、青春エロ映画。

主人公の青年は、アソコが大きくて剥けているが、独自のオナテクを極めている童貞君として登場。田舎と都会のカルチャーギャップやスクールカーストの要素が盛り込まれているが、どれも思春期特有の珍妙な行動として、あっさりと描写されている。

全体的に、思春期の甘酸っぱいドキドキ感は希薄であり、鈴木則文の悪ノリ映画の側面が強い。肉体的接触ではなく、間接的接触によるお下劣ネタがメインとなっている。パンチラ、ヌード描写がほとんどないけれど、女優のノースリーブ姿が眼福。

80年代に入ると、確実にヒットを狙えるマネーメイキング主義が、邦画界の主流となるのだが、そんな中でも鈴木則文はカウンター精神を炸裂。84年度の作品だが、70年代の最後の一押し、もしくは鎮魂的な意味合いが感じられる。
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