『アメリ』のジャン＝ピエール・ジュネ監督による大人のSFファンタジー映画。視覚的な魅力溢れる〈スチームパンク〉。レトロフューチャーに浸れる一作。物語はシンプルだが説明はやや煩雑？世界観を重視して楽しめるような方はオススメ。怪力な大男×クールビューティ系少女のバディものとしても素敵🥳（140文字）
＊＊＊＊以下ネタバレあり＆乱雑文＊＊＊＊
近々、世界的ファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエの半生を描くランウェイ・ミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』を鑑賞に行くので予習①🥳
…珍しく２週続けてミュージカルに行きます。が、友人に誘われて２つ返事で行くことにしたものの、誠に失礼ながら「ジャンポール・ゴルチエって誰だ…🙄❓」状態。調べたところ舞台衣装を全て作ったという映画が何本かあるようなので当日までにできる限り見ていこうかと思います。
◆あらすじ◆
荒廃した近未来。錆びれた港町。ある天才科学者は〈夢〉を見ることができないことに悩んでいた。そして他人から〈夢〉を奪うために〈一つ目教団〉に命じ、町の子供たちを誘拐して〈夢〉を奪っていた。怪力の大男ワンも幼い弟を教団に攫われてしまう。途方に暮れるワンはひょんなことから子供だけの窃盗グループのリーダーである美しい少女エミットと出会う。２人は教団に立ち向かい、ワンの弟を取り戻そうとするが…。
❶『アメリ』の監督ジャン＝ピエール・ジュネによる大人のSFファンタジー映画
世界的に有名なオシャレフランス映画『アメリ』の監督ジャン＝ピエール・ジュネによるSFファンタジー映画。世界観はレトロフューチャー。視覚的な魅力が溢れており〈スチームパンク〉を思わせるような感じです。
個人的な印象でいうと『アメリ』のジャン＝ピエール・ジュネっぽさを基調として、ギレルモ・デル・トロ、ティム・バートン、ヤン・シュヴァンクマイエル辺りの美術や舞台のニュアンスが混ざり合うような、世界観先行の作りこみを感じました。U-nextの見どころ説明によれば〈総製作費14億円をかけて巨大スタジオセットを建造〉したとのこと。
そんな怪しくもワクワクする近未来。怪力だけど子供みたいな純粋さをもつ大男と凛としたクールビューティで大人びた少女のバディが、町の4歳までの子供をさらう悪の教団や黒幕となる天才科学者の一味と戦うストーリーとなっています。ブラック・シュールコメディさもある、大人のためのファンタジーという感じです。
私の目的、ジャンポール・ゴルチエは衣装を全面協力したとのこと＾＾
❷拘りぬいた〈スチームパンク〉的な世界観に目と心を奪われる
世界観を構築する美術と、それを映すカメラワークがバッチリで素晴らしいです。街並みや風景のセット、衣装、あらゆる小道具などで拘りぬいた〈スチームパンク〉的な世界観に目と心を奪われます。可愛らしい子供たちに対し、大人たちはいわゆるフリークス的なデザインであったり、クローンたちや「脳」だけのキャラクターがいたりとパンチが効いています。銅や鉄の素材で作られた建築物によりスクリーンの色味は緑っぽい。色は濃くて明暗がくっきり。不気味で怪しくて毒々しい、でも美しい舞台が広がっています。散歩するだけでも楽しそう！
❸ストーリーはシンプルだけど世界観が“ごちゃごちゃ”しているから煩雑かも？
ストーリーは冷静に考えるとシンプルでだと思います。悪い科学者に攫われた弟を兄がストリートキッズの協力を得て助けにいく…という流れ。しかし作りこまれた舞台や奇妙なキャラクターたちが多く登場するため、一見煩雑。鑑賞しているうちは“ごちゃごちゃ”した分かりづらさを感じました。奇妙さが先行し、説明に親切さはない気がする…🤔
最終的に「思ったよりもストーリーあったし、でも見ているうちはよく分からないな」って感じだったので、複数回展開するような練られて凝ったストーリーテリングが好きな人や、理路整然と説明してくれるような分かりやすいストーリーが好きな人はもしかしたら注意かもしれません。
一方、難解ではないので、世界観重視で視覚的な情報に浸って楽しめるような方はオススメです。不気味で奇妙ながらカッコよくて可愛い〈スチームパンク〉世界と大男×少女の王道な優しい絆を堪能できるかも🥳
⚙🐝⚙「ジャンポール・ゴルチエが担当した衣装も世界観にマッチして素敵。キャラクターを印象付ける衣装がたくさんです。そしてヒロインのエリオットちゃんの美少女ぶりがとっても可愛い！黒髪ロングに赤いドレス、幼いのに大人っぽい顔立ちとクーデレな性格が素敵です。いろいろな犬種が出てくるのも印象的。見ていて楽しい、この世界に旅行に行ってみたいなーと思うような世界でした。全然、住みたくはないけど！🤗」
