トト・ザ・ヒーローの作品情報・感想・評価

「トト・ザ・ヒーロー」に投稿された感想・評価

のび

のびの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この物語は、自分で自分の人生に評価を下してはいけないし、自分にとっては何気ないことでも、他人から見ればそれはかけがえのない幸福なのかもしれないことである、ということをわたしたちに突きつける物語だと言えるだろう。

あまり幸福とは言えない子ども時代を過ごした主人公のトマが、向かいの家のアルフレッドに羨望と恨みを抱き、本当はアルフレッドと取り違えられたのだ、自分の本当の人生はアルフレッドとして生きることだったのだと思ってしまっても、仕方ない面はある。

でも、トマがそんな悲しみを抱いているからこそ、姉のアリスとの関係は純粋で美しいし、父親がピアノを弾いて歌う場面は、ひときわ明るく輝いて見える。他人から見ればそれはかけがえのない幸福なことなのだと、老人になったトマがようやく人生の最後にそう気付いた。

そこでようやく、老人トマは幸福に包まれて自分の人生を全うすることができたのだ。わたしたちの目から見ると、それはひどく手遅れにも見えるが、トマにとってはそれだけで十分幸福だったはずだ。
こんな傑作を観てなかったとは。産まれてすぐに隣のベッドの子と入れ替わってしまい…。目を逸らしたくなるシーンはあるが、悲観が一つもない映画。苦悩と幸福が仲良く共存してる稀で 実践的な幻想映画。すっっごく好き。愛する『ハロルドとモード』を思い出す独特な愛。それが溢れてる。ミステリーを含むが純粋な愛の映画。
Kibasyan

Kibasyanの感想・評価

3.9
カート・ヴォネガットの空想とジョジョの荒木飛呂彦のサスペンス要素が合わさった人生妄想的回顧録。吉良吉影の親父を思い出した。
yukari

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3.7
狂気!ブン♪

幼少の頃の姉アリスには観ていてこちらがドキドキしてしまうほど色気があった

陽気な音楽が頭から離れない
可愛い男の子が出てくる映画だと思って軽い気持ちで観たわたしにとっては衝撃的すぎた
妄想じいさん
fujiK

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📀✒️📑
こじらせおじいちゃんトマの人生の落とし所が切ない。『ミスター・ノーバディ』の雛形として鑑賞していたが、一人の男性が辿る奥行きはこちらの方が深い。
幼少期に思い描いていた自分にとって理想の異性像みたいなものは誰にでもあると思うし、ましてや実の姉が紛れもない異性像だったりすると、引きずりますわな。僕も幼い頃、ピアノを弾くいとこのお姉さんの後ろ姿が好きで恋心を抱いていました。いい大人になった今でも親戚の寄り合いとかでたまに会ったりするとドキドキする(笑)

ブン♪
甘くて切ない人生賛歌。30年後にまた観たい。
Daichi

Daichiの感想・評価

4.0
間違いなく傑作!
ケイコ

ケイコの感想・評価

3.5
男というのはいつまでも初恋の亡霊を追い求める生き物なのね〜。
ライバルへの復讐しか頭になかった主人公が、そこから解放されたとたん水を得た魚のように生き生きし始める。
ハッピーエンド・・・なのかな?
yahhotaka

yahhotakaの感想・評価

4.0
神様メール、ミスター・ノーバディに続き、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品鑑賞三作目。監督の原点作品として期待してみました。
何と、何も知らず遠い昔に観ていました。結果2回目の鑑賞。
何とも素晴らし映画です。ある男性の一生の回顧録映画の作りですが、
トマの人生は小さな波乱に満ちた人生。兄弟愛以上の愛情を姉に、人生を奪われたと思い込み、殺意をアルフレッドへ、(アルフレッドも数奇な運命に翻弄されている)実子としての愛情を本当は実の両親ではないであろう父と母へ、哀れむのでは無く本当の兄弟のように兄弟愛をダウン症の弟へ。最後は小さい頃からの望みであったアルフレッドとの入れ替わりで幕を閉じる。最後の最後、灰になったトマの喜びようで暗い気持ちで見終わらずにすみました。久しぶりに心が動揺する映画でした。
次は「八日目」を観ます。
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