言葉人形

クリーン、シェーブンの言葉人形のレビュー・感想・評価

クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)
5.0
凄まじく素晴らしい頭蓋骨幻想。
退屈でつまらない映画大好きなので大好き。
あれかこれか、どれでもない子守唄ならいらないと地獄往きのメロドラマ。平たく簡素に要約すると精神分裂気味の男の瞼の娘を訪ねて三千里の悲惨な末路なのだけれど、ヒステリックに研ぎ澄まされた冷んやりヒリヒリする電波な映像強度が観てる側に感染し殺しにかかって来ててヤバイ。切り裂いた皮膚の中に潜り込んだノイズがこちらを浸食し洗脳する。脳を何度も爪で引っ掻かれてるみたいな不快で不穏で不安定な不安がじわじわと視界に広がり続け、戦慄するのに目が離せない。何処までも分裂症的な映画には明解も難解も正解もないのだし、必要ではないのです。
毒電波に満ちたこの世界で、切望と哀れみに彩られた嫌悪などといった得難い失われた感情を味わえる、そんな場所。海を目指して。
顔には何も浮かんではいない…眼の奥に灯る理解の電球もなければ、腹わたから精神に泳ぎ上がってくる認識も、何もない。