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クリーン、シェーブンのadeamのレビュー・感想・評価

クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)
2.5
施設を出たばかりの精神を病んだ男の娘を探す旅と少女誘拐殺人事件の捜査が交錯する心理スリラー。
受信機のように外界からの刺激を過敏に受け取ってしまい、混迷を極めていく精神の表現が秀逸で、音や言葉、人の仕草や目線といった要素が実在の有無を問わずに襲いかかってくる様は恐ろしかったです。
事件の真相を終盤まで明かさないことで、男の危うい心理への観客の不安感を煽ることに成功しており、それゆえに結末のやるせなさも際立っています。
ただ物語に二つの軸を作ったことで、病んだ心を追体験しきれるほどの没入感は得られず、一方で狙ったはずのサスペンス的な盛り上がりは終盤になっても今ひとつなのが残念で、いっそ主人公の視点だけに絞って見せてほしかったと感じてしまいました。