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アンツィオ大作戦のShinMakitaのレビュー・感想・評価

アンツィオ大作戦(1968年製作の映画)
2.1
…welcome to the club. Mr.Ennis.



1944年1月。連合国軍はローマ占拠を目的としたアンツィオ上陸作戦を開始した。従軍記者エニスもそれに同行する。作戦の指揮を執るのは慎重派のレスリー将軍だ。敵の猛攻を予想した将軍だったが、意外にも攻撃はなく、上陸はすんなりと成功する。エニスは若い兵士ムービーを伴いジープでローマまでひとっ走りして、ドイツ兵がほとんど居ないことを確認した。地元民の話によれば、大部隊は撤退し僅かな親衛隊と憲兵が残っているだけだという。このまま上陸部隊をローマに進ませるべきだと進言するエニスだったが、将軍は罠を疑い上陸陣地の守りを固めることを優先してしまう。その間、ドイツ軍イタリア戦線司令ケッセルリンク元帥は大規模な増援部隊を移動地点に配置。おかげでレスリー将軍が第1・2大隊をローマへ進軍させたところ、途中のシステルナ丘陵で待ち伏せに遭い、700名以上の兵が全滅してしまう。生き残ったのは、エニスの他、第1特殊任務部隊ブラックデビルの6名だけだった…


「アンツィオ大作戦」


ディノ・デ・ラウレンティスの実録戦争物というと、さぞやビッグスケールの映画なのかと思いきや…そうではなくて、従軍記者と6人のレンジャー兵がなんとかドイツ軍の目を盗んで上陸陣地に帰還しようとするサバイバルドラマなんですな。

兵士の視点ではなく記者の視点で描かれているのが面白いところ。記者エニスを演じるのがロバート・ミッチャム。上層部のダメ判断を容赦なく糾弾しながら、戦場では銃を手にすることを拒否し、仲間が目の前で斃れてもなすすべもないキャラクター。「当事者」になることを拒みながらも戦争に取り憑かれた男をミッチャムが好演しています。「人間は、面白いから戦争をする」というセリフにグッときます。ピーター・フォークが演じた、オンナに酒にとやりたい放題ながら超有能なマーティ・ラビノフ伍長も印象に残ります。彼の残したトミーガンを手に、ついにミッチャムが「当事者」となってスナイパーと対決するというクライマックスはかなり高揚しました。

若手キャストでは、「ダーティハリー」のレニ・サントーニがムービー役でそこそこ活躍。でも注目は、イタリア語通訳もできる二等兵チェリーニです。演じてるの、ジャンカルロ・ジャンニーニなんですよ。めちゃ童顔でしたが、まさか数十年後に007のマティス役や「ハンニバル」のパッツィ警部役で世界的に知られるロマンスグレーの渋イケオジになるとは、ねぇ^_^
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