まちゃん

ハリー・ポッターと炎のゴブレットのまちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
これまで狭い世界観だったのだが今作で一気に広がる。クィディッチのワールドカップ観戦から始まり、ホグワーツ以外の学校が初めて登場する。この三大魔法学校の対抗戦トライウィザードトーナメントが今作の中心となるストーリーだ。ハリーが代表となり、三つの試練に向かう展開はワクワクする。その三つの試練も伝統的なファンタジーの想像力に溢れて魅力的だった。そこに成長したハリー達のエピソードも絡む。ロンが代表に選ばれたハリーに嫉妬する所やロンとハーマイオニーの喧嘩など思春期の少年少女の姿を良く描いていて微笑ましい。そしてその陰で闇の魔法使いヴォルデモートの復活を企む話が展開されていく。物語の底流にヴォルデモートの影がチラつくので作品のトーンはシリアスだ。様々なエピソードが重ねられるが物語の軸はしっかりしているので理解しやすいと思う。ラストはシリーズを通じた敵の姿がはっきりと現れて続きへの興味をかき立てられた。安定の面白さだった。
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