まいとん

男はつらいよ 望郷篇のまいとんのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 望郷篇(1970年製作の映画)
4.0
本作に出てくる正吉親分のエピソードは
コメディーにしては悲壮なやり取りである
寅は妾の子であり、その母に捨てられている
正吉親分が死ぬ前に会いたいと言った子は捨てた子であり
子は幼き日に見た女に暴力を振るう父を見て父を捨てた
このエピソードが二重写しになって
寅がフーテンを捨てて真面目に働くキッカケになっている
物語が進むにつれて寅が陥るシチュエーションは面白くも悲しくて
悲惨そのものである
振り幅が大きいほど面白さが増すのである

また本作はさくらがたくさん出てくるので楽しい
シナリオの完成度が高く初期の名作の一本である