継

苺とチョコレートの継のレビュー・感想・評価

苺とチョコレート(1993年製作の映画)
3.9
“ちなみに、ぼくはコッペリアで苺味のアイスを注文したが、『苺とチョコレート』の中では男が苺味を注文することは “おねぇ” の象徴となっている…”    📗 若林正恭(オードリー)著「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」抜粋.


失恋したダビドがコッペリアで独り寂しくアイスを食べていると, 口調や仕草が明らかに女性な見ず知らずの男ww, ディエゴが声をかけてくる。
不審がるダビドは席を立とうとするが 苺アイスをニコニコ顔で頬張るフルーツ女子,ディエゴは 執拗にダビドを家へ誘うのであった…。


🍓
'93年, キューバ+メキシコ+スペイン合作.
共産主義者の愛国学生ダビドと, ゲイの自由主義者ディエゴの友情をキューバの社会情勢を背景に描いたドラマです。

(教育が無償で受けられる)カストロ政権下だから大学に通わせて貰えていると, 純粋無垢に体制を支持する農村出身のダビドと,
文学, 芸術, 男性をこよなく愛し, ウィスキーや化粧品等の舶来の物資を闇で売りさばく芸術家肌のインテリ, ディエゴ。

体制の引き締めが強まる中で弾圧され, 反体制的な姿勢を強めていくディエゴは, 眠るダビドの身体に触れたい気持ちを必死で堪えてシーツを掛けてやるジェントルな一面も持ち合わせていて、
学生寮で相部屋なミゲルとパンツ一丁でじゃれ合ったりするダビド達の方が, 生き方としては寧ろ女々しく描かれてるのが面白い。

『夜になるまえに』という映画でも描かれたテーマですが, 実話ベースでより切実だった『夜にー』に比べると, 若干肩の力が抜けた作りになっていて, ダビドが男として成長していく過程を描いた作品でもありました。


(どんな店だろう?)って字面で知った↑コッペリアはウチの近所にありそうな思った以上に普通な店(笑)で, でもカバーニャ要塞やヘミングウェイが通ったバーには行ってみたいなと(^^)。
行けないのに行きたい場所ばかり増えて, 困ってしまう今日この頃です😹。
継