ボンドレイク

男たちの挽歌のボンドレイクのレビュー・感想・評価

男たちの挽歌(1986年製作の映画)
5.0
 ★5.0 +アルファ!

 「神を信じるか?」
 「ああ。俺が神だ。神は人間さ。自分の運命をコントロールする人はな。」
 「だがそうは行かないときもある。」
 「、、バクチと一緒さ。」
 そう言ったマークの顔で画面と音楽がストップ。
 風が吹き、嵐の予感。そこへ悪役登場、、

 失ったものを取り返したい!のとこだけじゃない!名台詞名シーンだらけのこの映画、、

 ただのアクション映画じゃないんよこれ。本質は、魂の叫びが心に響く、感動のコテコテなドラマ映画。

 原題
「英雄本色」(ying1 hung4 bun2 sik1)
「A Better Tomorrow」

 これホント好きすぎる。

 もはや挽歌1も何回観たかわからん。ジョン・ウー作品はホント好きで、ここ最近では一番観返してる。てか今は、ジョン・ウーが一番好きな監督だしっ笑

 今作はジョン・ウー作品の中でもトップレベルに、抜群にドラマの完成度高い。

 兄弟愛の修復物語であると同時に、全てを失った男の挽回物語も交わる。中々濃厚。
 ただ、一番ドラマに貢献した要素は脚本よりもまずはキャラクターだと思う。

 いや演技だ、喜怒哀楽の幅広さを存分に活かした入魂の演技。
 チョウ・ユンファ、ティ・ロン、レスリー・チャン、ケネス・ツァン、レイ・チーホン、、
 香港映画って確かに喜怒哀楽を全力で表現する人がそもそも多い気はして笑
 香港の良さが出たってことかな?笑

 特に、ジョン・ウー監督と多くを語り合い、マークというキャラに思いを詰め込みまくったらしい、チョウ・ユンファ!
 2で「俺たちもマークさんみたいになりてぇ」といってマークのコスプレをして出てきたあいつらの気持ち、わかるよぉ〜笑笑

 爪楊枝くわえ、トレンチコート羽織り、サングラスかけて歩き回る。で、人に対して常に熱い思いを語る。友情が厚く、主義や理想は高い。
「人に頭下げるのはもう 一生御免だ!」そう叫んでみたい、、笑笑

 でも真似事じゃ敵わんのよなっっ。マークは心の芯から、そういう男なのだから、それが真の姿なんだから、カッコイイ。
 チョウ・ユンファが自身の思い詰め込んで役作りしたように、、

 そう、マークという男の正体はチョウ・ユンファなんだっっ、、
 だから、マークはチョウ・ユンファでなけりゃならん、、

 と、色々書いたが、それでも結局は映画ですから、キャラを魅力的にみせふジョン・ウーの手腕が発揮されたことにも言及せんとっっっ。
 
 そもそも、リメイクではありながらも、全てジョン・ウーの作り出した脚本、キャラなわけですからっ。
 で、なんてったって演出がいちいちカッコイイ。バイオレンスの詩人と言われるけど、スローモーションの詩人でもあると思う、、もちろんそこだけじゃないがっっ。

 なんというか、ジョン・ウー監督の心を覗き込んでるように感じるほど、心込めて作られてるのがホントよくわかる。

 これは、どのジョン・ウー作品にも言えること。

 だから毎度、心にグッとくるんだなって。

 エンディング、あの二人が並んで歩いてくショットに被せられる、主題歌。
 レスリー・チャン歌唱の主題歌、「當年情」。この哀しくも暖かみのある、味深い広東語歌謡曲を聴くそのときには、まさに自分の魂そのものまでもが震えるっっ笑
 今までのシーンが走馬灯みたいにチラつく。

 で、この映画を観終えたそのときには、自分にもきっと より良い明日(英題)が訪れると良いなと前向きにさせてくれる、、

 ありがとう!ジョン・ウー監督!!ありがとう男たちの挽歌!
ボンドレイク

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