浅野公喜

男たちの挽歌の浅野公喜のレビュー・感想・評価

男たちの挽歌(1986年製作の映画)
4.0
今となってはアナクロになりつつある男臭さ、そして言葉にすると少々陳腐な男の美学が作品全体に充満している、香港ノワールの傑作シリーズ第一作。中華料理屋の襲撃に代表される迫力有る銃撃戦は言わずもがな、この作品公開当時の日本でも既に描かれなくなった?男達の義理人情や絆に思わず胸が熱くなります。

個人的にユニークだと思ったのがレスリー・チャンの奥様がチェリストという設定で、チェロのケースでタクシーの窓を割ってしまうレスリーの表情がカワイイです。また、そのレスリーの歌唱による劇中頻繁に流れる主題歌もハーモニカの演奏から始まるイントロからドラマティックで心を掴むもの。
主役二人の背中を捉えたラストショットもやはりフェイバリットです。

余談ですが、毎回中華料理屋の廊下や個室を歩いたり垣間見るとこの作品を思い出します(笑)。
浅野公喜

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