オペラ歌手の母親と難しい年頃の息子の関係を綴ったベルトルッチの佳作
まずロケーションが素晴らしく、ベルトルッチとストラーロの映像美も勇壮で明媚な芸術的ロケ地の数々により一層際立つこととなり、こんな惚れ惚れするような場所をよく見つけてきたなと感嘆した
そしてこの映画のメインテーマであるが、親と子の愛が男女のそれらしいものにエスカレートしていく様は、倒錯的な恋愛模様をよく描くベルトルッチらしいのと同時にギリシャ神話的なものもあり、ちょっと引きながらもその過激さには惹かれるものがあった
しかし言ってしまえばただちょっと行き過ぎた親子関係を描いただけの映画を二時間以上飽きずに見られるなんてのはベルトルッチとストラーロの美的感覚あってのものだろうし、改めて流石と言わざるを得ない
ところで息子を演じたマシュー・バリー、調べたら今は主にニック・カサヴェテス作品のキャスティングディレクターを務めてるのね