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傷だらけの挽歌の刺繍屋のレビュー・感想・評価

傷だらけの挽歌(1971年製作の映画)
4.3
実際にあった事件を元にジェームス・ハドリーの書いた小説“ミス・ブランディッシの蘭”をロバート・アルドリッチ監督が映像化した作品ですが、名作と言われるだけあって見応えのある映画でした。

ストーリーとしても勿論面白かったのですが、演出も良かったですよね。
特にラストシーンは主演のキム・ダービーの哀しみと虚しさの入り交じった表情と相俟って印象的な終わり方でした。

マザコンでありながら仲間内からも実は恐れられ狂気に近い愛をバーバラに注ぐという非常に難しいキャラクターを見事に演じたスコット・ウィルソンも素晴らしかったと思います。

これだけの作品になってしまうと軽々しくリメイクという訳にはいかないかと思いますが、現代版に置き換えて作り直しても面白いような気がしますね。
その時は是非、初公開当時そうであったらしい“バーバラが川に身を投げる”そんなラストにして欲しいです。

そう言えば、脇役ではありますがアイリーン・デーリー演じたグリッソムギャングのリーダーはなかなか強烈でしたね。スリム以上に怖い存在でしたよね。

それと作品の流れに関係ある訳ではありませんが、登場人物が皆不必要なまでに汗だくなのがちょっと気になってしまいました(;^_^A
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